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注目する理由映画時計

映画『ナイトメア・アリー』は、2020年(2021年ではない)の12月下旬から私の目に留まっていた。そのとき、本作のアシスタント・プロップマスターであるマリア・シモネリ氏にインタビューしたところ、COVID感染拡大の影響で製作が半年ほど遅れていることを知ったのだ。

2021年になり、私は12月上旬に行われたUSプレミアに参加することができた。デル・トロ監督は映画の終了後、キャストやスタッフとともに観客に語りかける時間を取った。彼と本作のプロデューサーたちは、スケジュールの都合に妨げられることなく、文字通り映画の半分を仕上げるために全キャストを集められたことがいかに幸運だったかに触れた。

クーパー演じるスタントン・"スタン"・カーライルは、その能力(あるいは「パワー」)を使って金持ちや権力者を手玉に取る一方、大女優ケイト・ブランシェット演じる危険なセラピスト、リリス・リッター博士に(いろいろな意味で)落ちて行ってしまうのだ。

この作品が興行成績の悪さから多くの映画館で上映中止になった新作であるという点(それはきっとスパイダーマンのせいなのだ)を考えた。私がこの24ヵ月で出会った映画のなかで、最も質が高いと信じるのにもったいない。この映画は、賞のシーズンになれば間違いなく注目されるだろう。

プロダクションデザインも、衣装も、演技も一流だ。そして、時計もである。

映画のなかでカーライルは、ハミルトンがまだペンシルバニア州ランカスターを拠点とするアメリカのブランドだった、1928年頃の14Kゴールドのヘイスティングスを着用している。その後、ハミルトンはスウォッチ グループに買収され、スイスを拠点にしている(しかし、今でも素晴らしい時計を作り続けている)。

カーライルはこの時計を、地味な下積み時代から成りあがっていくまで身につけている。多くの映画と同様、この映画も時計そのものではなく、その背後にある物語が重要なのだ。この作品の場合、ハミルトンは、カーライルの人生に大きく関わる亡き父が所有していたものである。彼は、亡くなった父親の思い出としてこの時計を身につけ、どこへ行くにも一緒だ。この時計の鼓動が、映画のなかで彼が下すすべての決断(正しいか間違っているかは別として...だいたい間違っているが)に影響を与えているのだ。

プレミア上映後にシモネリ氏に話を聞くと、クーパーとこのハミルトンの関係にも、映画同様に興味深いオフスクリーンのストーリーがあるとのことだった。

映画のコロナ対策の一環として、クーパーのトレーラーを清掃する際に、ヘイスティングスにまつわるちょっとした事件があった。「作業中に時計がトレイから落ちて、風防が割れてしまったのです」とシモネリ氏は振り返る。「主役級の時計1本の他に、スタントやワイドショットに使用する他の3本を加えた、合計4本の時計がありました」

風防が割れるという事件のあと、シモネリ氏はシーンのために撮影現場に行き、クーパーにサブの時計を1本手渡した。

「彼は"ありがとう"と言って立ち去りましたが、5分もしないうちにクーパーとギレルモに呼び戻されました。"この時計はオリジナルか"と言われたので、"いえ......今日壊れてしまって"と言うと、"オリジナルじゃないとダメだ。オリジナルを手に入れないと"と言われたのです」

わがままからではなく、彼は時計が好きだったのだ。デル・トロは、「彼が気づいてくれるなんて 」と笑った。

さらにシモネリ氏は、この映画で時計にこだわったのはこれだけではないと教えてくれた。デル・トロは、ケイト・ブランシェットが着用する時計には、彼女のキャラクターを反映させるために黒のストラップをつけることも希望していた。

彼女が教えてくれた、とてもクールな情報をひとつ。撮影終了後、デル・トロはスタントン・カーライルのハミルトンを、映画の思い出の個人的コレクションとして所有することにしたのだ。

私は、時計が持つ永続的な力、特に家宝になるような力を信じている。『ナイトメア・アリー』は、スクリーンのなかでも外でも、その考えを前面に出している。もしあなたが時計好きなら(これを読んでいるからには、そうだと思う)、デル・トロ監督とスタッフによる配慮を高く評価するはずだ。

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マベンウォッチズ×ビーミング by ビームスの腕時計

マベンウォッチズ(MAVEN WATCHES)から、ビーミング by ビームス(B:MING by BEAMS)とのコラボレーション腕時計「アーバンスカウトパラシュートエディション(Maven Urban Scout Parachute Edition)」が登場。2021年4月30日(金)より、ビーミング ライフストア by ビームスなどで発売される。

マベンウォッチズ×ビーミング by ビームスの「アーバンスカウト」

ベースモデルとなったのは、ミリタリーウォッチのデザイン意図を現代的に再解釈した「マベンアーバンスカウト」。マベンウォッチズらしいミニマルなルックスは保持したままに、ヴィンテージのミリタリーウォッチを彷彿とさせる文字盤とリューズを組み合わせた、モダンかつクラシカルなモデルだ。

フランス海軍使用のパラシュートストラップを採用

今回のビーミング by ビームスとのコラボレーションモデル最大の特徴は、フランス海軍で使用されていたストラップを引用する形で採用したパラシュートストラップ。フックをかけるようにして着用するユニークな形状のパラシュートストラップを組み合わせることで、通常モデルよりさらにミリタリーウォッチ寄りのデザインに舵を切った一本となっている。

価格は19,800円(税込)で、それぞれ文字盤とストラップのカラーを合わせたカーキ、ネイビー、アースカラーの全3色で展開される。

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